蠍座のお話(グアムでは)その2


ガダオさんは、人の気配がなくなった入江を

見つめながら、一人考えていました。

村人達を怯えさせた化け物はまだそこにいて

悠々とひれをひるがえしています。

「村人達のために…」

ガダオさんは拳を握りしめて立ち上がりました。

「私が魚の餌になろう。」

水に入ると一歩一歩魚に近づいていきました。

そして、一気に潜って魚の顔の前に出ました。

魚は、洞窟の入り口のような不気味な口を開き、

ガダオさんを丸飲みにしてしまいました。

ガダオさんが魚に食べられたと、悲しみにくれる村人達。

すると突然巨大な魚が暴れだしました。

海水を高く打ちながら苦しそうに身をよじり、

やがて、動かなくなりました。

ガダオさんはお腹の中で魚と戦っていたのです。

魚の大きな口がかすかに開き、

ギザギザの歯の間からガダオさんが出て来ました。

村人達を困らせた大きな魚はみんなのご馳走です。

「やっぱりガダオさんは強いなあ。」

「ガダオさん有難う。」

おしまい。


About ヤシノ

Island Joumer guamのヤシノです。グアムの自然と星空に魅せられて、充実した日々を過ごしています。南の島よりきらめく星空をご案内いたします。

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